電話対応のコツ:気分を害さない電話での「聞き返し方」とは
01相手の声が聞き取りづらい時に有効な「復唱確認」
電話対応をする際に困るのが「相手の声が聞き取りづらい」時ではないでしょうか。声が聞き取りづらいのは、話し手の電波状況が悪かったり、滑舌が悪いなどの理由が考えられますが、たとえ相手側に原因があったとしても、反射的に「え?」と返してしまったり、何度も聞き返してしまうと、電話の相手も気分を害してしまうでしょう。ではそんな時、どうやって対応していくべきなのか。今回のコラムでは、相手の気分を害さない聞き返し方についてご紹介していきます。
日々数多くの電話を受けるe秘書でも、話し手の声が聞き取りづらいという場面によく出くわします。そうした時にe秘書のオペレーターが徹底しているのは「復唱確認」です。例えばお名前であっても「○○様でございますね」というように、相手が話した言葉を繰り返すようにしています。復唱確認をすると、万が一聞き取った情報が誤っていたら相手が訂正をしてくれますし、間違いがない場合でも、こちら側が正しい情報を理解していることが伝わるので、相手も安心して話を進めることができます。さらに復唱確認をしている間は会話の主導権がこちら側にあるので、その間に相手の要件をメモに取るなど、時間を有効活用することができるのです。
また、一息に話をされる方ですと、どうしても聞き取れる部分、聞き取れない部分が出てくる場合があります。そうしたときには、あえて聞き取れた部分だけを復唱するというテクニックもあります。そうすると、相手は聞き取れなかった部分も含めて言い直してくれることがあるので、すべての情報を把握することにつながります。
さらに、相手の声や話し方には問題なくとも、電波状況や背景の雑音の影響などによって聞き取りづらく、復唱確認もできないというシーンもあります。そうした際には下手にごまかしたりせず、「電波の状況が悪く聞き取れなかったため、もう一度お教えいただけますでしょうか」というように、聞き取れなかったことを正直に伝えるようにしています。そうすることで、話し手も自分に非があることを理解でき、もう一度お話しいただけますし、改善しないようであれば、時間をおいて掛け直すといった選択もできるので、結果的に相手にストレスを与えなくて済むでしょう。
このようなことに注意して、できる限り正確な情報を収集することに努め、さらには話し手の方にも気持ち良くお話しいただけるようにしています。
02一歩上をいく電話対応のコツは「相づち」にある
と、ここまでは他の電話代行サービスや、一般企業におけるマナー研修などでも用いられている手法です。そこで私たちの場合、さらに一歩上をいく電話対応を実施するために、研修の段階で「相づち」を上手に活用することをオペレーターに指導しています。
電話で話をしている時、聞き手側が無反応では「本当に聞いているのだろうか?」と不安になりますよね。その不安を解消するために用いるのが相づちです。普段何気なく使っている相づちは、会話を円滑に進める上でとても重要なものなのです。
ただし、「はい」「はい」というように、同じ相づちばかりを用いていると、やはり「ちゃんと話を聞いているのだろうか?」と、相手は不安になるものです。そのため「はい」「ええ」「なるほど」というように複数の相づちを用い、時には復唱確認を行うことで、相手が話しやすい雰囲気を作り出していくことが肝要です。とはいえ、相づちの種類が豊富すぎるのも考えものです。あまりにも相づちのバリエーションが豊かだと、今度は逆に「この人は自分のことをバカにしているのではないだろうか?」と、疑心暗鬼になってしまうかもしれないからです。一概には言えませんが、3〜5つ程度の相づちを使い分けると、「私はあなたの話をちゃんと聞いていますよ」という意思を表明することができ、話し手にも「この人はしっかりと自分の話を聞き、理解しようとしてくれる」と感じていただけるので、心地よい会話の流れを生むことができるでしょう。
さらに相づちを打つ際には的確なタイミングを意識したり、実際にうなずくなど、目の前に相手がいるかのように振る舞うことも大切です。e秘書では、こうした相づちの活用方法を研修時にしっかりと指導していますので、すべてのオペレーターが効果的な相づちを使い、お客様の気分を害さないように心がけています。
ただ、こうしたポイントを押さえていても、稀にお客様の気分を害してしまうこともあります。そこで私たちは、「モニタリング」という仕組みを作り、同じミスを繰り返さないようにしています。
このようにe秘書では、相手の気分を害することなく、気持ち良く電話を終えていただくように努めています。こうしたことが、最終的にはお客様の評価を上げることにもつながると考え、日々業務に取り組んでいます。