自社業務の効率化・成果向上をもたらす電話業務のアウトバウンドとインバウンド

01一般的な意味合いとは異なる電話代行業界の「インバウンド」と「アウトバウンド」というキーワード

昨今、「インバウンド」「アウトバウンド」というワードを聞くことが増えています。ニュースなどでは「外国人が自国に旅行をしに来ること（インバウンド）」「自国から外国へ旅行をすること（アウトバウンド）」という意味合いで用いられます。実は電話代行業界でもインバウンド、アウトバウンドという単語が使われるのですが、ここでは少し意味合いが違います。
電話代行業界におけるインバウンドは「かかってきた電話を受ける業務」のことで、アウトバウンドは「こちらから電話を掛ける業務」のことです。前者は電話代行サービスや電話秘書サービスのことを、後者はいわゆるテレアポなどのサービスのことを指しています。今回は、アウトバウンドサービスの特徴やメリット／デメリットなどについてご紹介をしていきます。

02アウトバウンドサービスの種類とメリット

電話代行サービスのアウトバウンドには次のような種類があります。

（１）販売促進活動

（２）カスタマーサポート

（３）市場調査

（１）販売促進活動は、新規顧客を開拓するための営業電話や、DM送付後のフォローアップなどを行うものです。ビジネスにおいて顧客との最初の接点をつくることには労力がかかりますが、それをアウトソーシングすることで、ご契約者様の負担を減らし、営業活動の効率を向上させることができます。新規顧客を開拓したいけれど人手が足りないという中小企業や個人事業主の方に向いている活用方法です。

（２）カスタマーサポートは、すでに商品を購入している、サービスを利用している顧客に対してアフターフォローをするサービスです。顧客が抱える不満の解消や、新たなお知らせやお勧めを行うことで潜在ニーズの掘り起こしをすることが実現できます。こうした定期的なアプローチは顧客満足度を向上させることにつながり、顧客を囲い込む上でも有効な手段と言えるでしょう。例えばネットショップなど、少ない人員で多くの顧客を相手にしている事業者や、キャンペーンなどのフォローを行いたいと考える企業に向いています。

（３）市場調査は、新たな商品やサービス開発に役立つ情報を取得するための電話調査や、企業やブランドに対する消費者イメージを探るための電話アンケートなどです。最近ではインターネットを活用したアンケートを用いて市場調査を行う企業も多いですが、あらかじめ用意された選択肢から回答をする手法ではデータが偏ってしまうこともあります。より消費者の本音に迫るためには、会話による調査の方が優れている場合もあるのです。

03アウトバウンドに生じ得る２つのデメリット

ここまではアウトバウンドのメリットについて紹介してきましたが、一方で、アウトバウンドを行うことで生じる得るデメリットも存在します。

アウトバウンドは、顧客にとっては予期せぬタイミングで電話を受けることを意味します。多忙な場合や、案内内容に興味がなければ顧客はすぐに電話を終わらせようとしますが、そこで不用意に会話を伸ばしたり、不快な思いをさせたりしてしまうと自社イメージの悪化を招いてしまう可能性があります。これは代行会社を利用しなくとも生じ得るデメリットですが、アウトバウンドには顧客の注意を惹きつけるスキルが必要ということを知っておくべきでしょう。

もう１つは、自社の営業担当者と顧客との間にすでに信頼関係が構築されている場合に生じるデメリットです。これは特にカスタマーサポートで起きるものですが、既存の担当者がいるにも関わらず、唐突に見知らぬスタッフから商品やサービスについての電話が来ると、多くの顧客は戸惑ってしまうでしょう。万が一そこで不快な思いをさせてしまったりすると、担当者や企業に対する不信感を高めてしまう危険性もあります。これは、事前に顧客リストを整理しておけば避けられるものです。また既存の営業担当者自らが顧客に電話をかける時間を確保するという意味で、インバウンドの電話代行を活用して業務効率化を図ることも有効と言えるでしょう。

このように、準備をしっかりとせずにアウトバウンドを行おうとすると、不要なトラブルを招いてしまう可能性があることはあらかじめ理解しておきましょう。

04アウトバウンド・インバウンドに必要なものは「聴く力」

こうしたメリットやデメリットがあるアウトバウンド業務ですが、効率的かつ効果的に実行していく上で必要となるのは「聴く力」です。聴く力とは、会話を通して相手が本当に言いたいことや、潜在的に興味を持っていることなどを探る力とも言い換えることができ、アウトバウンドのみならずインバウンドにも必要な能力です。相手の真意を聴き、ニーズを満たす方向に導くには専門的な訓練が必要になります。